三陸わかめの豆知識
知ってますか?わかめのこと…
「わかめを食べたことがない」という人はほとんどいないと思いますが、海のなかで育っているわかめを見たことがある人も少ないと思います。よく考えてみるとわかめは不思議なことがたくさんありますね。味噌汁などに入れて茹ですぎると色が変わってしまったり、よく見ると表面に細かい毛が生えていたり、皆さまが口にするわかめはほとんどが養殖だということも意外ですよね。そんなちょっとした疑問や栽培から加工までをまとめてみました。
美味しく、ヘルシーで、低カロリー。
わかめにはアルギン酸等の食物繊維、ビタミンやミネラル(カルシウム、マグネシウム、リン、鉄)がバランスよく含まれており、余分なコレステロールを体外に出したり、血圧上昇を抑えたりするなどの効果があると言われています。
わかめは茶色?緑色?
海中のわかめは茶褐色をしています。わかめはクロロフィルa(緑色)とクロロフィルc(青緑色)の色素を持っていて、その他の酵素と結合しています。しかし、湯通しすることによって、酵素の結合が無くなることで、クロロフィルaの鮮やかな緑色に変わります。
それを保存のために脱水・塩蔵したものを「湯通し塩蔵わかめ」と呼びます。
わかめに毛が生えてる?
わかめの表面を良く見ると透明の毛が生えているのが分かると思います。
これは毛藻(もうそう)と呼ばれるわかめの葉体の一部で、いいわかめには必要不可欠な器官のひとつです。何のための器官なのか?主成分は何なのか?などはまだ解明されていない不思議な器官です。
雌株(めかぶ)って何?
雌株はわかめの胞子葉であり食物繊維やミネラルの宝庫です。海藻などに含まれる滑り成分のフコイダンが近年、ガン抑制効果があるといわれ注目されています。湯通しをして刻み、醤油をたらしご飯にかけると、簡単で最高に美味しい、めかぶ丼のできあがりです。
ところで、“海藻”と“海草”ってどうちがう?
海藻は胞子によって繁殖するもの(一般的に食用に使用される、わかめ・こんぶなど)を指します。また、海草は種子によって繁殖するもの(一般的に食用に使用されないもの)を指します。
三陸わかめの栽培から加工まで
- 採苗
- 7月下旬から8月上旬にかけて天然ワカメのめかぶを採取します。水槽に海水(水温18℃~20℃)を入れて、その中にめかぶを投入し、攪拌することによりめかぶから遊走子と呼ばれる胞子が放出されて水中で浮遊します。そこで、あらかじめ用意しておいたパーム(直径1mm程度の糸)を水槽の中に入れます。
遊走子は何かに付着する性質を持っているのでパームを入れると付着します。
- 種苗管理(種苗の沖出し)
- 種付けをしたパーム(種苗)を外洋に設置しておいたロープに取り付け、水深3~5mくらいのところで成長を促します。
雑海草を除去しながら11月下旬頃まで育苗管理を行います。
11月下旬頃までには葉体5cmくらいまでに成長します。
- 種まき(定植)
- 11月下旬頃、パームに5cmくらいに成長した種苗を、外洋のロープいかだ(直径30mm、長さ100m)に巻きつけを行います。
- 間引き
- ロープいかだに巻いた種苗は2月上旬にかけて50cmくらいに成長します。そのうち小さいもの、生育の悪いものを、間隔を見ながら間引きします。
- 刈り取り(収穫)
- 2月上旬から2月中旬にかけて、間引きしたわかめは、3月中旬には1~1.5mくらいに成長し刈り取り(収穫)に入ります。
- ボイル加工
- 収穫したわかめは、めかぶ・元茎・うら枯れを切除し、85~90℃くらいの温度の海水で30秒程度ボイルします。ボイルしたわかめを釜から素早くあげ、海水で完全に冷却し脱水します。脱水したボイルわかめに35%の割合で加塩して、ミキサーで攪拌し、その後タンクに入れて、一昼夜塩漬けにします。
- 脱水
- 一昼夜塩漬けにした塩蔵わかめを、塩を洗い落としながら、水切り籠に入れて、脱水機で脱水します。
- 芯取り・選別
- 脱水したわかめの芯を取り、芯抜きわかめ・切葉・元葉・中芯等に区別選別し、15kgに計量して箱詰めします。
- 商品の検査・販売
- 箱詰めされた製品は漁協の検査を受けます。厳選された岩手の一等検のわかめを岩手県産わかめとして、みなさまのお手元へお届け致します。