熊谷商店について

ありがとうの気持ちをこめて
岩手県大船渡産のわかめ・こんぶを全国の食卓へ

熊谷商店を営む熊谷家は岩手県大船渡で代々、米・酒・たばこ・食料品などの小売店を営む傍ら、地元の魚の加工品やひじきなどの海藻類などを商い、海産物に関係する仕事をしてきたと伝わっています。1969年(昭和44年)、先代に当たる熊谷惠次が、わかめ加工業で起業し、卸問屋として東京や仙台へわかめ・こんぶの出荷を始めました。
堅実な営業が実を結び、1979年(昭和54年)頃からはスーパー向けの製造を始めました。

三陸のわかめを首都圏に

出荷量が増え始めたこの頃から現代表の熊谷高幸は惠次の右腕として仕事を手伝い始め、東京や横浜の百貨店での催事では積極的に売り込み、三陸・岩手のわかめの周知に励んできました。
卸売の大手との取引だけではなく、個人のお客様への販売にも力を入れ、親戚や知人に美味しいわかめを送りたい、と言う地元の方向けには大船渡産一等品のわかめを提供し、好評が口コミなどで広がり、関東方面のお客様からも電話で注文を頂戴するまでになりました。

東日本大震災

熊谷商店は大船渡の長崎漁港に隣接しているので目の前は海。日頃から地震と津波には警戒していました。
東日本大震災の地震は、これまでとはまったく違う異様な揺れを感じ「これは津波が来る」と確信。従業員みなですぐに近隣の高台に避難しました。最後まで工場に残っていた高幸は荷物の積み込みをしていた運送会社の運転手と共に一時波にのまれたものの、どうにか九死に一生を得ました。津波により工場と事務所はすべて流出。復旧の目処が立たずしばらくの間、休業しました。

お客様の声に励まされて

避難する時に急いで持ち出した書類の中にはお客様の名簿がありました。
中には個人販売で長いお付き合いのお客様も多く、連絡が取れなくて心配してくださっているかもしれないと考えた私たちは、残念ながら全て流出してしまったが、幸い家族・従業員全員無事だったこと、復旧には時間がかかるかもしれないが復興に向けて努力していること、復旧の際はご連絡差し上げることを記しお客様に向けて葉書を出しました。
何人かのお客様からは『無事でよかった!』『電話も繋がらなくて心配していた。連絡ありがとう』『再開を待ってます』などの励ましのお言葉を頂戴し、嬉しさとともに、復興への励みになりました。

復旧・復興のその先へ

震災当時、代表の惠次は自宅で病気療養していたので、高幸が再建・再開に向けて取引先と連絡を取ったり、補助金申請などに奔走。翌、2012年(平成24年)6月には新工場が完成し、操業を再開しました。取引先のおかげもあり、スーパー向けの商品の製造もどうにか継続することができました。
2019年(令和元年)11月18日、病気療養中だった惠次が他界。熊谷商店は高幸が代表となりました。
「お友達にいただいたら、とっても美味しかった」「わかめがこんなに美味しいとは思わなかった」など、うれしいお言葉と共にご注文してくださるお客様がいらっしゃる。熊谷商店はその声を励みに、感謝の気持ちを忘れず、三陸・大船渡のわかめを全国の食卓にお届けしています。

店内 熊谷商店
代表者 熊谷 高幸
設立年月日 1969年2月1日
取り扱い商品 三陸わかめ、三陸こんぶ、茎わかめ等
所在地 〒022-0007 岩手県大船渡市赤崎町字長崎99-1
電話番号 0192-27-5326
FAX 0192-27-5544